PoIからわかるNEMの銀行業務との融和性
いつもお世話になっております。
NEM(New Economy Movement)が採用しているPoI(Proof-of-Importance)という仕組みが銀行業務と抜群に相性が良い。
という記事を書きました。
「Rippleの話を書いた直後にこれか!」という罵倒を受けそうですが、そもそもNEMとRippleも実はかなり相性がいいです。
NEM(New Economy Movement)とは?
BitcoinはProof of Workという方式で稼働しています。皆さんご存知、「電気代をより多くぶっこんだものが多く利益を得る」という方式です。
EthereumはProof of Stakeという方式を採用しようとしています。この方式は「コインを多く持っている人ほど多く利益を得る」という方式です。
この2つは、突き詰めると「金を持っている人ほど沢山の金を得る」という資本主義の権化の様な仕組みなのです。
この問題を解決しようと発足した通貨がNew Economy Movement、通称NEMです。
NEMはProof of Importanceという新しい方式を採用しています。この方式の優れたところは
「NEMを積極的に使う人が、利益を得られる」
となっているところです。(NEMではマイニングではなく、ハーベスティングといいます)
この仕組みにより、先程の「富める人がより豊かに」という問題を解決し、全てのネットワーク参加者に平等に機会を与えることに成功します。
Proof of Importanceと銀行業務の融和性
PoIという仕組みは
- 持っているお金の量
- 取引をした額
- 取引をした人
という3つの要素を組み合わせて報酬が支払われます。
つまり、沢山お金を持っていて、沢山取引していて、取引した先の人が更に色々な人と取引する。まさにどストライクな業界がありますよね?
そうです。Rippleが「銀行同士の取引のために作られた通貨」だとするならば、NEMは
「銀行とその顧客の取引のために作られた通貨」
なのです。
NEMを銀行が使うとどうなる?
銀行はまず「人々にお金を貸し、利子を得る」のがメインの業務になります。 これをNEMで行うとどうなるのか考えましょう。
- 銀行はお金を貸すために沢山のNEMを所持(銀行のImportanceアップ)
- 沢山の顧客にNEMを融資(銀行と顧客のImportanceアップ)
- 顧客は借りたNEMを元に取引を実施(顧客のImportanceアップ)
という流れになります。
ここで重要なのは融資先である「顧客のImportanceもアップしている」ということです。
そのため、
顧客がハーベスティングをしていたら顧客も利益が上がる
ということです。当然、
銀行も沢山の人々に融資すればするほどハーベスティングの報酬が増えます。
顧客はお金を借りて使っているだけなのに「円」で借りるより利益が増え、銀行は円で融資するよりも、実績に比例して利益が増えます。
この様に、経済を多く回している人・機関ほど利益を得るという仕組みになっています。
結論
NEM(New Economy Movement)を使えば、行う業務内容は変わらないのに、今までよりも利益を上げやすい仕組みになります。
経済の仕組みを支える上でNEMは「円」より適した通貨であると私は思います。
そして何より、その経済を支えるためのコアである銀行の業務にNEMは非常に適しています。
この銀行業務の効率化という部分においては、Rippleと共通の要素ですが
その「適した業務の種類」がRippleとNEMでは根本から違います。
Rippleは銀行の国際間取引が主役で、NEMは銀行の融資業務が主役です。
リップラーとNemberが「自身の通貨の方が優れている!」と言い争うのは
「サッカーのほうが野球より優れたスポーツだ!」というようなトンチンカンな戦い
に私には見えてしまいます。フィールドもルールも違うのだから、そもそも比べようがありませんからね。
しかし、スポーツ同士とは違って両通貨はターゲットが異なるので「銀行が両方採用する」ということができます。
戦うことはできませんが、協力することはできますよ?
以上、よろしくお願い致します。